ソーシャルレンディングで貸し倒れを防ぐ方法
ソーシャルレンディングで一番いやなこと=貸し倒れ
どのソーシャルレンディング投資家に聞いても、同じ答えが返ってくるでしょう。
ソーシャルレンディング投資をするうえで、一番、嫌な事。
それは、出資したファンドが、貸し倒れの憂き目にあうことです。
なお、「貸し倒れ」というと、いささか、表現が曖昧ですが、要は、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対する元利金の返済が遅れて(=遅延が生じて)、かつ、ようやく償還されたと思ったら、元本割れしている、というケースのことですね。
ソーシャルレンディング投資で、貸し倒れ発生は防げるのか
投資家の立場から出来ることは、実際問題、限られます。
例えば、借り手企業からソーシャルレンディング事業者に対する元利金の返済が遅れた場合、ソーシャルレンディング事業者は債権回収に乗り出しますが、この債権回収プロセスには、投資家は関与できません。
あくまでも、ソーシャルレンディング事業者に任せるのみ、という立場となります。
その理由は、ソーシャルレンディング事業者と投資家との間で締結される、匿名組合契約、という契約タイプにあります。
匿名組合契約において、投資家は、匿名組合員となり、ソーシャルレンディング事業者は、営業者となります。
そしてファンドの実際の事業にまつわる全ての権限は、匿名組合員ではなく、営業者に帰属します。
匿名組合員が要求できるのは、利益の分配のみ。
これが、匿名組合契約という契約スキームなのです。
では、投資家として、何が出来るか。
本記事では、それを考えたいと思います。
まずは、ソーシャルレンディング事業者選びをしっかりと。
ここがまず第一に大切です。
変なソーシャルレンディング事業者には、投資口座を開設しないこと。
というのも、ソーシャルレンディング事業者そのものが不正業者であれば、その後のファンド選びなど、本末転倒だからです。
まずは、ソーシャルレンディング事業者選び。
このことを、忘れないようにする必要があります。
担保内容をしっかり精査
担保内容さえしっかりしていれば、万が一、借り手企業からソーシャルレンディング事業者への返済が滞っても、ソーシャルレンディング事業者は、自身の担保権を行使して、貸付債権の回収を図ることが出来るはずです。
逆に、無担保・無保証型のファンドの場合、借り手企業の資産状況によっては、貸付債権の回収は、極めて困難となることが予想されます。
なお、担保付だからといって、無条件で安心して良い、というわけでは、決してありません。
担保内容についても、しっかりとした精査が必要です。
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結局のところ、ソーシャルレンディングって、どうやってリスク分散するのよ?
案1:業者の分散
まあ、これは誰もが最初に思いつくわな。
とにかく、ソーシャルレンディング業者を分散しましょう、って。
ソーシャルレンディング業者はどこも口座開設は簡単だから、どんどん口座開設して、資金を分散しましょう、って。
実際、私も最初はそう思って、どんどん業者を分散したんですが、結局のところ、その結果、あまりよろしくないソーシャルレンディング業者(要はその後行政処分を受けるようなこととなったソーシャルレンディング業者ですね)にも口座開設することとなり、ひいては、そこの業者のファンドに出資し、そして最終的には、延滞に巻き込まれる(=行政処分を受けたソーシャルレンディング業者の場合、ほぼ必ず、その後延滞を起こしてます)ようなこととなったわけです。
ほんなら、最初から、業者の分散なんて、しなければよかったじゃないか、とも、思うわけですね。
というわけで、確かに、リスク分散したいなら、ソーシャルレンディング業者の分散は、物理的には、ありなんでしょうけど、「やり過ぎは危ない」とだけ、言わせてもらいます。
案2:案件を分散する
業者の分散がダメなら、じゃあ、案件を分散するか、っていう話ですね。
まあ、これもまた、ある程度、言えてる部分はありますよ。
ただし、各ソーシャルレンディング業者のファンド、よくよく、読み込んでみてください。
このうち、本当に出資したいと思えるファンド、どれだけあります?
実際にソーシャルレンディング投資を進めれば進めるほど、やばい案件ばかりが目に付くようになりますよ。
あー意地でも出資したいなーと思えるような案件は、限られるわけです。
そんな中にも関わらず、ただやみくもに、分散することだけが目的化して、よくわからんファンドにまで出資して…ってなっちゃうと、それって本格的に、本末転倒だと思うわけですよ。
結局、「分散=安全」は幻想では?
そんな風にも思いたくもなりますよ。
だからといって、1社のソーシャルレンディング業者の、1つのファンドに、ソーシャルレンディング用の資金を全部投入!ってのも、現実的ではないですが。
要は、バランス、っていう事なんでしょうね…。
みんな、結局何社くらいに分散してるんでしょう…?
ソーシャルレンディングの管理にはマネーフォワードが最適
マネーフォワードを使うと、ソーシャルレンディング投資はぐっと楽になるよ。
いろんなソーシャルレンディング業者に資金を分散投資していると、どこの業者にどれだけの資金を投資しているのか、分からなくなります。
その状態を放置していると、いつの間にか、特定のソーシャルレンディング業者に資金を集中してしまっている、なんていう事態も起こりがちです。
特定の業者への集中が、自分の意図した通りのことであれば、別に問題はないわけですが、そうではない場合は困ります。
というのも、ソーシャルレンディングファンドの場合、一度出資すると、基本的に途中解約は出来ないからです。
「あ、この業者に偏り過ぎたから、途中解約して別の業者に…」
と思っても、そのような処理はなかなか出来ません。
マネーフォワードで管理できるソーシャルレンディング業者はどこ?
確認する場合は、マネーフォワードから簡単に把握できます。
なんといっても、自動連携できるソーシャルレンディング業者が山ほどあるのが、マネーフォワードのすごいところです。
マネーフォワードと自動連携できないソーシャルレンディング業者は?
もちろん、数あるソーシャルレンディング業者の中には、マネーフォワードと自動連携できないところもあります。
そんなソーシャルレンディング業者については、マネーフォワードの「手動連携」機能を使ってみましょう。
マネーフォワードに依存せずに、別管理も。
マネーフォワードの場合、確かに、自動連携(及び手動連携)で、ソーシャルレンディング業者ごとの「残高」等を一元管理できる、というメリットはあるのですが、出資しているファンドの期待利回りの状況等を管理するのには、さすがに、マネーフォワードだけでは力不足となります。
そのため、何か簡単なエクセルなどを別途用意して、一応、各ファンドの利回りなどを管理することが現実的となるでしょう。
1万円から少額投資できるソーシャルレンディング事業者はどこか
日本国内のソーシャルレンディング事業者のほとんどは、1万円からの出資を受け付けてくれてます。
「1万円からの出資を受け付けてくれるソーシャルレンディング事業者って、限られるんでしょ?」と思っておられる読者の方々。
どうぞ、ご安心ください。
日本国内のソーシャルレンディング事業者のほとんどが、1万円からの少額出資を受け付けてくれてますよ。
1万円から出資できるソーシャルレンディング事業者1:クラウドクレジット
国際分散投資型ソーシャルレンディングの大手、クラウドクレジット。
伊藤忠商事など大企業からの出資でも話題ですね。
そんなクラウドクレジットのファンドは、どれも一律、1万円からの出資が可能です。
1万円から出資できるソーシャルレンディング事業者2:オーナーズブック
全ファンド国内不動産担保付、で話題の、オーナーズブック。
東証マザーズ上場企業である、ロードスターキャピタル株式会社が運営していることでも、有名ですね。
そんなオーナーズブックのファンドについても、一律、1万円からの出資を受け付けています。
1万円から出資できるソーシャルレンディング事業者3:SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングの場合、常時募集型ファンドが有名です。
中でも人気なのが、「不動産担保ローン事業者ファンド」。
本記事執筆本日現在、既に100本以上の組成・満期償還実績を誇る、SBIソーシャルレンディングの主力ファンドシリーズのひとつです。
そんな「不動産担保ローン事業者ファンド」については、原則としていつでも、1万円からの出資が可能です。
※SBIソーシャルレンディングの場合、常時募集型ファンドのほかにも、臨時組成型の、オーダーメード型ファンドがあります。そうしたオーダーメード型ファンドの場合は、1万円からの出資は出来ないケースもあるので、ご注意ください。
それでは、他のソーシャルレンディング事業者は…?
本日現在、日本国内には、20社以上のソーシャルレンディング事業者が存在します。
そのほとんどが、上記した3社と同じように、原則、1万円からの出資受付をしてくれています。
中には、「1万円から」どころか、「1円から」の出資を受け付けているソーシャルレンディング事業者も、存在しますよ。
逆に、「数万円」ですとか、場合によっては、10万円以上の最低出資額を設けている、ソーシャルレンディング事業者も、あるには、ありますが、少数派です。
基本的には「少額からスタートできる」ことも、ソーシャルレンディング投資の、最大のメリットのひとつですので、各社、足並みをそろえて、1万円前後からの出資受付をしてくれていますよ^^
ソーシャルレンディング投資の基本的な流れをマスター
ソーシャルレンディング投資の基本的な流れ(フロー)を把握しよう。
いざ、というときにばたばたしては仕方ないですから、ソーシャルレンディング投資を実際にスタートする前に、あらかじめ、ソーシャルレンディング投資の基本的な流れをマスターしておきましょう。
まずは、国内のソーシャルレンディング事業者の中から、気に入った業者を選ぶ。
本日現在、国内には、20社~30社前後のソーシャルレンディング事業者があります。この中から、投資家として付き合っていくに値する、適切なソーシャルレンディング事業者を選ぶ必要があります。
簡単なことのように思えるかもしれませんが、ソーシャルレンディング投資が平和裏に進むか、もしくは、トラブルだらけの物となってしまうか、どうか、は、実は、ここのプロセスにかかっています。
ある程度適切なソーシャルレンディング事業者選びが出来れば、ソーシャルレンディング投資は、比較的スムースなものとなるでしょうが、
逆に、変なソーシャルレンディング事業者を選んでしまうと、後々、トラブルの火種となりかねません。
自分が選んだソーシャルレンディング事業者に、投資口座を開設する。
自分が気に入ったソーシャルレンディング事業者に、投資用の、投資家口座を開設します。
「投資家口座を開設」と聞くと、なんだか大変そうな響きですが、実際は、手続きは簡単です。
全て、インターネットで完結しますから、安心してください。
そのソーシャルレンディング事業者が提供しているファンドの中から、「出資したいな」と思えるファンドを、選ぶ。
このプロセスも、当然、とても重要なステップになります。
冒頭でソーシャルレンディング事業者を選びましたが、ソーシャルレンディング「ファンド」選びは、事業者選びに次ぐ、重要なプロセスです。
ソーシャルレンディング事業者が呈示しているファンド概要をよく読み込んで、慎重に、出資是非の判断を行うことが肝心です。
気に入ったファンドに、出資申込をする。
出資したいファンドが決まったら、出資手続きをします。
「出資手続き」といっても、おおげさに考える必要はありません。
ソーシャルレンディングの場合、出資申込手続きは、インターネットで完結します。投資口座を開設したときと、同じですね。
運用期間中、ソーシャルレンディング事業者から、分配金を受け取る(利息分)
ソーシャルレンディングファンドの分配スケジュールは、ファンドによって実際はケースバイケースなのですが、ファンドの中には、利息相当額については、期中に分配をする(例:毎月分配型)、というタイプも、たくさんあります。
実際の分配金の「受け取り方法」に関しては、ソーシャルレンディング事業者が、デポジット制度を採用しているか、どうか、で、大きく異なります。
ソーシャルレンディング事業者が、デポジット制度を採用している場合
ソーシャルレンディング事業者から投資家への分配金は、あくまでも、ソーシャルレンディング事業者内の、投資家別の「デポジット口座」へと送金されてくる形となります。
このため、投資家が、デポジット口座内の資金を、他の使途へと振り分けたい場合、デポジット口座から「払い戻し」という手続きを経る必要があります。
ソーシャルレンディング事業者が、デポジット制度を、採用していない場合。
この場合、投資家への分配金は、投資家が日ごろ使っている銀行口座へと、直接送金されてくることになります。
この場合の振込手数料は、ソーシャルレンディング事業者が負担してくれるケースが多いようです。
【満期】ソーシャルレンディング事業者から、元本の償還を受ける。
借り手企業から、ソーシャルレンディング事業者に対して、元金返済が完了すると、それを原資にして、ソーシャルレンディング事業者から、投資家に対し、満期の、元本償還が実行されます。
これが完了して、ようやく、1つのソーシャルレンディングファンドが、起承転結、全てを完了、ということになります。
このようにしてファンドが運用期間の全てを終えるまでには、ファンドによって、長ければ数年の時間を要することもあります。
ソーシャルレンディング投資に回す資金については、この「運用期間」についても、十分に注意して確認したうえで、配分するようにしてください。
クラウドリースのソーシャルレンディングファンド「オープン記念ローンファンド4号」について検証。
このソーシャルレンディングの概要情報
本ソーシャルレンディングファンドの組成会社のホームページから確認した、本ソーシャルレンディングファンドの概要情報としては、下記の通りです。 なお、案件1及び案件2として表記されている案件のうち、募った資金の大半を融資する、「案件1」のほうに限りまして、下記、検証致します。
このソーシャルレンディングファンドの組成会社は
クラウドリース、というソーシャルレンディング事業者です。
本ソーシャルレンディングファンドの正式名称は
オープン記念ローンファンド4号、という名称のほか、 「案件1」に関しては、「【事業者D社向け 第一弾】事業性割賦販売ローンファンド(10ヵ月物)(16)」との呼称も確認できます。
本ソーシャルレンディングファンドのスキーム図
本ソーシャルレンディングファンドから資金を借りるのは
事業者D,との表記があります。
貸付資金の総額は?
200万円です。 ただし、複数のファンドが組成され、合計では2,000万円が融資される予定です。
借り手の資金使途は?
事業者Dとしては、融資金を、自身の顧客であるアミューズメント事業者への、営業用設備割賦販売のために使用する、とのこと。
貸付・運用の期間は?
10カ月の貸付・運用となります。
担保設定(人的・物的)の状況は?
まず、事業者Dの代表者の連帯保証。 加えて、 アミューズメント事業者→事業者Dへの支払いのために、アミューズメント事業者から振り出された約束手形が、 クラウドリースにて譲受される、とのこと。
返済原資は?
返済原資については確たる明記はありません。
期待利回り(年率)は?
10パーセント、とのことです。
資金募集達成度は?
既に満額の資金募集を達成しています。
運用・返済状況は?
本事業の返済完了日(※ファンドが組成された時点での予定日)は、2017/01/04。 既に償還済みであろうかと存じます。
本ソーシャルレンディングファンドのポイント
私が考える、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。 なお、あくまでも、私の個人的な見解である旨、あらかじめ、ご了知下さい。
利回りはいい。
期待利回りは10パーセント、運用期間は10カ月ですから、 実質で8.3パーセント程度(10パーセント×10カ月÷12カ月)ほどの利回りが期待できます。 ソーシャルレンディングファンドの場合、当然、他の投資商品と比較し、高い利回りが特徴なわけですが、 それでもなお、この利回りは、高利と言えます。
連帯保証(人的担保)はあまりあてにならない。
担保権が設定される資産がはっきりしている物的担保(例:不動産への抵当権設定)と比べ、 人的担保の場合、保全の効力はいまひとつです。 事業者Dの代表者の資産状況等が分からぬ以上、 「代表者が連帯保証してくれるから大丈夫」というのは、いささか、短慮と言わざるを得ません。
約束手形については…
今回、アミューズメント事業者が振り出した約束手形も、クラウドリースにて譲受される、とのこと。 万が一、当該手形が不渡りとなれば、アミューズメント事業者にとっては、大きな信用上のトラブルとなります。 当該アミューズメント事業者については、 ・6店舗を営業し、 ・年商50億円を誇る、 ・業歴40年の老舗企業 との表記があります。 確かに、年商・業歴は立派ですが、 万が一、当該アミューズメント事業者の経営に、深刻なトラブルが発生した場合、 そして当該アミューズメント事業者が、これ以上の経営継続を希求せず、事業の清算を考えた場合、 振り出されていた約束手形については、危機に見舞われることとなります。 約束手形の心理的な強制力というのは、「不渡りを出したくない」と考える企業経営者に対してだけ、有効なのであり、 「もう会社は潰すことにしたのだから、不渡りだろうが、なんだろうが、どんとこい」と考えている事業者にとっては、 さしたる効果が無い、というのが実情です。 ※あくまでも、個人的な見解です。 このあたりをどう考えるか、というのが、 ひとつ、大きなポイントとなりましょう。
本ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ
今回は、クラウドリースのソーシャルレンディングファンド「オープン記念ローンファンド4号」を題材に、検証をさせて頂きました。 繰り返しとなりますが、本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。 その点は、くれぐれも、ご承知おきください。 しかし、その限りにおいて、少しでも、ソーシャルレンデイング投資にご興味をお持ちの方にとって、 ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、小ブログの管理人として、嬉しい限りです。 それでは、また次回の記事で、お会いしましょう!
追伸: ソーシャルレンディングファンドにおける担保設定等については、こちらのサイトを参考にさせてもらいました。各ソーシャルレンディング事業者についても詳しく解説されています。
ソーシャルレンディングおすすめ事業者ランキング比較サイト