ソーシャルレンディングファンド研究ブログ

ソーシャルレンディング各社のファンドの内容良悪を研究します。

クラウドリースのソーシャルレンディングファンド「オープン記念ローンファンド4号」について検証。

このソーシャルレンディングの概要情報

ソーシャルレンディングファンドの組成会社のホームページから確認した、本ソーシャルレンディングファンドの概要情報としては、下記の通りです。 なお、案件1及び案件2として表記されている案件のうち、募った資金の大半を融資する、「案件1」のほうに限りまして、下記、検証致します。

このソーシャルレンディングファンドの組成会社は

クラウドリース、というソーシャルレンディング事業者です。

ソーシャルレンディングファンドの正式名称は

オープン記念ローンファンド4号、という名称のほか、 「案件1」に関しては、「【事業者D社向け 第一弾】事業性割賦販売ローンファンド(10ヵ月物)(16)」との呼称も確認できます。

ソーシャルレンディングファンドのスキーム図

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ソーシャルレンディングファンドから資金を借りるのは

事業者D,との表記があります。

貸付資金の総額は?

200万円です。 ただし、複数のファンドが組成され、合計では2,000万円が融資される予定です。

借り手の資金使途は?

事業者Dとしては、融資金を、自身の顧客であるアミューズメント事業者への、営業用設備割賦販売のために使用する、とのこと。

貸付・運用の期間は?

10カ月の貸付・運用となります。

担保設定(人的・物的)の状況は?

まず、事業者Dの代表者の連帯保証。 加えて、 アミューズメント事業者→事業者Dへの支払いのために、アミューズメント事業者から振り出された約束手形が、 クラウドリースにて譲受される、とのこと。

返済原資は?

返済原資については確たる明記はありません。

期待利回り(年率)は?

10パーセント、とのことです。

資金募集達成度は?

既に満額の資金募集を達成しています。

運用・返済状況は?

本事業の返済完了日(※ファンドが組成された時点での予定日)は、2017/01/04。 既に償還済みであろうかと存じます。

ソーシャルレンディングファンドのポイント

私が考える、本ソーシャルレンディングファンドのポイントは、下記の通りです。 なお、あくまでも、私の個人的な見解である旨、あらかじめ、ご了知下さい。

利回りはいい。

期待利回りは10パーセント、運用期間は10カ月ですから、 実質で8.3パーセント程度(10パーセント×10カ月÷12カ月)ほどの利回りが期待できます。 ソーシャルレンディングファンドの場合、当然、他の投資商品と比較し、高い利回りが特徴なわけですが、 それでもなお、この利回りは、高利と言えます。

連帯保証(人的担保)はあまりあてにならない。

担保権が設定される資産がはっきりしている物的担保(例:不動産への抵当権設定)と比べ、 人的担保の場合、保全の効力はいまひとつです。 事業者Dの代表者の資産状況等が分からぬ以上、 「代表者が連帯保証してくれるから大丈夫」というのは、いささか、短慮と言わざるを得ません。

約束手形については…

今回、アミューズメント事業者が振り出した約束手形も、クラウドリースにて譲受される、とのこと。 万が一、当該手形が不渡りとなれば、アミューズメント事業者にとっては、大きな信用上のトラブルとなります。 当該アミューズメント事業者については、 ・6店舗を営業し、 ・年商50億円を誇る、 ・業歴40年の老舗企業 との表記があります。 確かに、年商・業歴は立派ですが、 万が一、当該アミューズメント事業者の経営に、深刻なトラブルが発生した場合、 そして当該アミューズメント事業者が、これ以上の経営継続を希求せず、事業の清算を考えた場合、 振り出されていた約束手形については、危機に見舞われることとなります。 約束手形心理的な強制力というのは、「不渡りを出したくない」と考える企業経営者に対してだけ、有効なのであり、 「もう会社は潰すことにしたのだから、不渡りだろうが、なんだろうが、どんとこい」と考えている事業者にとっては、 さしたる効果が無い、というのが実情です。 ※あくまでも、個人的な見解です。 このあたりをどう考えるか、というのが、 ひとつ、大きなポイントとなりましょう。

ソーシャルレンディングファンド検証のまとめ

今回は、クラウドリースのソーシャルレンディングファンド「オープン記念ローンファンド4号」を題材に、検証をさせて頂きました。 繰り返しとなりますが、本記事文中の表現は、いずれも、私のごく個人的な意見に過ぎません。 その点は、くれぐれも、ご承知おきください。 しかし、その限りにおいて、少しでも、ソーシャルレンデイング投資にご興味をお持ちの方にとって、 ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、小ブログの管理人として、嬉しい限りです。 それでは、また次回の記事で、お会いしましょう!

追伸: ソーシャルレンディングファンドにおける担保設定等については、こちらのサイトを参考にさせてもらいました。各ソーシャルレンディング事業者についても詳しく解説されています。
ソーシャルレンディングおすすめ事業者ランキング比較サイト